養育費

【保存版】養育費の決め方と算定表・相場まとめ

養育費は、離婚してからお子さんが成長するまで、お子さんのために長年にわたって支払われるものですから、正確に理解し、きちんと約束しなければなりません。

今回は、「養育費の決め方」「算定表」をテーマにまとめてみました。

「養育費の決め方・算定表」まとめ

1 そもそも養育費って何?

養育費とは、子が生まれてから成熟して自立するまでの間、養い育てるために必要な費用をいいます。

この養育費は、法律上の扶養義務に基づくものです。離婚しても親子関係は継続する以上、負担する義務があります。

2 【養育費算定表】養育費って基準があるの?

もうご存知だと思いますが、裁判所が「養育費・婚姻費用算定表」という基準を出しています。

元々は平成15年に発表され、またたく間に実務に浸透し、全国の家庭裁判所で採用されるようになりました。

これが令和元年12月に改定されて、今後はこの基準が使われることになります。

実務では、単に「算定表」と呼ばれることが多いです。

算定表は、双方の年収子どもの人数を元に、養育費の目安を示しています。

この基準は、当事者で養育費の額を決めることが出来なかった場合に、裁判所が判断する際に参考にされるものです。

最終的に裁判官が判断する際の参考にされる以上、結局、この基準を目安に話し合いをすることが多くなっています。

算定表は子が公立学校に通学していることを前提に計算されていますので、私立学校に通学する場合や、塾・習い事に通っている場合、特別な医療を受けている場合などは特別な事情として話し合いが必要になります。

古い書籍で勉強されている方は、令和元年12月の新基準が掲載されていませんので、注意してください

また、日弁連も平成28年11月に、裁判所の算定表の問題点を修正するものとして、新しい方式による算定表を発表しました。
これは「新算定表」と呼ばれていましたが、結局実務で用いられることはありませんでした。
令和元年12月に最高裁が発表した「改定算定表」は、上記日弁連の「新算定表」及び日弁連が指摘した問題点についても検討がなされており、今後、「新算定表」が実務で用いられる可能性は低いものと思われます。
今後は、令和元年12月に発表された「改定算定表」を確認することが大切です。

3 養育費算定表の見方

養育費算定表の見方ですが、算定表は子どもの人数と年齢で何種類もあります。
(例:子1人表(0歳~14歳)、子2人表(第1子15歳~19歳、第2子0歳~14歳))

① その中から、自分の子どもの人数と年齢に合致した表を選択しましょう。

縦軸に義務者(養育費を支払う側)、横軸に権利者(養育費を受け取る側)の年収額が記載されています。

この年収額は、給与収入の方は、手取り額ではなく、額面金額(税金等が控除される前の額)ですので、源泉徴収票の「支払金額」欄に記載された額です。

② 義務者の年収に近い数字を縦軸から選びます。

③ 義務者の年収に近い数字を縦軸から選びます。

④ それぞれの数字が交わる部分を確認します。

④で、交わった部分に記載されている金額が、標準的な養育費の額となります。

4 【具体例】支払う側の年収が500万円の場合の養育費

例えば、夫(義務者)の給与所得年収が500万円、妻(権利者)の年収が100万円、子1名の場合

子の年齢が0歳~14歳の場合4~6万円、15歳以上の場合6~8万円が目安となる額になります。

5 【決め方】養育費の額を決めるにはどうしたらいいの?

初歩的なことになりますが、まずは、夫婦で話し合いです。

離婚する際に決める方が圧倒的多数ですが、とりあえず先に離婚し、後から話し合うことも可能です。

話し合いの方法に、決まりはありません。

面と向かって話してもよいし、手紙でもメールでもLINEでも、何でも構いません。

夫婦だけの話し合いで決められない場合、

1 養育費を決めないまま先に離婚する

2 あくまでも養育費を合意してから離婚する

のいずれかを選択します。

2の場合は、養育費が決まらない場合、最終的には離婚調停を申し立て、離婚調停の中で、養育費について話し合うことになります。

6 養育費はいつまで(何歳まで)認められるの?

養育費は子が未成熟な状態でいる間に支払う費用になります。

「未成熟な状態」というのは、子の状況によって変わってきます。

20歳になり、成人すれば、「未成熟な状態」とは言えなくなるとして、養育費の終期を20歳と定める夫婦は多いです。

しかし、現に大学に通っており、まだ親の扶養内にいるとか、大学進学が決まっているとか、夫婦双方が大学を卒業しているといった場合、「大学卒業まで」と決める場合もあります。

高校を卒業後の就職が決まっているとか、既に就職しているなど経済的にも自立しているような場合には、18歳までとすることもあります。

結局、いつまで養育費を支払うのかについても原則として話し合いで決めることになります。

話し合いがつかない場合は、最終的に裁判所が判断します。

7 養育費の支払方法はどう決めたらいいの?

養育費は、子の日々の生活のために必要な費用の負担の問題ですから、月ごとに支払うことが原則です。

通常は、子を育てている側の親の預金口座に毎月振り込む方法で支払う約束をします。

賞与支給月は加算する、といった約束も可能です。

8 学費はどうしたらいいの?

養育費は、基本的には月額幾ら、と決めて支払いが行われるものです。

また、算定表は、公立学校に通う子を基準として作成されていますので、私立学校に通っている場合や、高校や大学の受験費用、入学金、授業料等については、別途話し合いが必要となる場合があります。

これについても、原則として、話し合いで決めることになります。

話し合いがつかない場合は、最終的に裁判所が判断します。

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9 具体的に額が決まったら

話し合いが出来、具体的にいつまで幾ら支払う、という合意が出来た場合、口約束のままでは後で紛争になりがちですので、通常は合意書を作成します。

合意書を作成する場合、自分たちで作成してもその合意書は有効ではありますが、約束どおり支払われなかった場合に備え、実務的には公正証書を作成することも多いです。

養育費を支払ってもらう側(子を監護している側)の方は、必ず公正証書にしておかれることをお勧めします。

これについては、また別の記事で紹介します。

10 養育費の平均額

以上を読んで頂けたらお分かりのとおり、養育費の額は、子どもの年齢や両親の収入によって算定されますので、「平均」という概念自体があまり意味がありません。

ただ、参考までに、厚生労働省による「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、母子家庭で子ども1人の場合の1か月分の養育費の平均額は、約38,000円でした。

この額を多いとみるか少ないとみるかですが、月額38,000円で子1人を養育していくのは厳しいだろうというのが私の感覚です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

養育費は、家庭裁判所の実務としては、最高裁算定表にしたがった運用がなされていますので、これと乖離した主張をしても、その内容で相手も同意しないケースでは、よほど特別な事情が無い限り、算定表の基準額をベースに話し合いが行われることになります。

この運用が良いのか悪いのかというのはまた別の問題です。

特に、支払いを受ける側にとっては、「この額ではとても足りない」という不満が生じがちです。

一方、支払う側は、住宅ローンを別途抱えている場合などは、とても支払が困難、となるケースもあります。

ただ、実務はこのように動いているという前提で対策を練り、調停に臨むことが大切です。

弁護士
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特別な事情を説得的に主張・立証出来れば、算定表基準から離れた額が認められることも無くはありませんので、最初から諦めないで、主張すべきことは主張して置くという態度も重要です。

離婚問題に経験豊富な弁護士に依頼できると、ひょっとしたら良い解決が得られるかもしれません。

ただ、運営者の私見ですが、養育費は子のためのお金です。子には何の落ち度もありません。

このことを双方が忘れずに話し合いが出来れば、自ずと解決が見えてくるように思います。

それではまた!