養育費

元夫が自己破産するそうです。養育費の支払は今後どうなる?

3年前に離婚しました。これまで遅れ遅れではあるものの養育費が払われていました。
ところが、先日、突然夫の弁護士から夫が自己破産する旨の手紙が送られてきました。
夫からの養育費を当てに生活しているので、今後養育費が貰えなくならないか不安です。今後養育費はどうなるのでしょうか。

今回はこの質問を取り上げたいと思います。

結論:養育費の支払義務は無くならない

理屈は以下のとおりです。

元夫は自己破産すると「破産者」になります。

破産者に対する貸金などの債権は、破産者が所定の手続きを経て裁判所から免責決定を受けると、支払わなくてもよくなります。

しかし、破産手続を経て免責決定を受けても、免責されない債権(非免責債権)というものが、破産法上いくつか定められており、その中に養育費債権も含まれています。

非免責債権

・税金
・悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
・養育費・婚姻費用請求権
・破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
など

弁護士
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したがって、元夫は、自己破産しても養育費の支払義務は免れません(滞納分も含めて全額)が、その他の借金は免責されますので、結果的には養育費を支払いやすくなるということになります。

元夫から「自己破産するからもう養育費は払えない」といった連絡を受けたとしても、自己破産は養育費を支払わない理由にはなりませんので、簡単にあきらめないでください。

相手が自己破産する場合の養育費に関する注意点

元夫が養育費を支払わない場合、養育費の取り決めを公正証書や調停調書で行っていれば、破産手続が終了した後、滞納分がある場合には、元夫が受け取っている給与や元夫の預金口座を差し押さえることで養育費の回収を図ることが可能です。

自己破産手続中は、月々発生する養育費については支払を受けることが出来ますが、破産開始前の滞納分の養育費については、破産手続中は破産者は支払いをしてはならないことになっているため、破産手続終了後に支払いが行われるのが通常です

弁護士
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もし、元夫に代理人弁護士がついていれば、養育費の支払いについて問い合わせてみるとよいでしょう。

破産手続の有効利用

上に書いたとおり、養育費債権は非免責債権ですが、債権者であることにかわりはありませんので、債権者(利害関係人)として元夫の破産事件の記録を閲覧することが可能です。

元夫の破産申立記録には、元夫が自分の収入の状況や財産状況を説明した資料が含まれています。

弁護士
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したがって、破産事件の記録を閲覧すれば、元夫の就労先や預貯金・保険等あらゆる財産状況を確認することが可能です。

破産手続中は強制執行をすることが出来ませんが、破産手続終了後は可能ですので、養育費の回収が可能な財産に目星をつけておき、終了後直ちに差押えを行うということも可能になります。

弁護士
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元夫の破産は、元夫の情報を得るチャンスとなるかもしれません。
もし自己破産するという通知が来た場合、養育費の滞納が起きているのであれば、一度弁護士に相談してみるとよいかもしれません。これまでの滞納分を一気に回収できることもあるかもしれません。

まとめ

元夫が自己破産すると聞いて、勝手にあきらめてしまっている方、いらっしゃいませんか?

当事務所でも、元夫の再就職先が分からず、回収をあきらめかけていたところ、元夫が破産したことにより、給与差押に成功した事例があります。

(結局、元夫は、再就職先に迷惑がかかることを恐れ、滞納分を一括で支払ってきました。)

養育費は、子どもの扶養のための大切なお金です。

逃げ得は許してはいけません

弁護士
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簡単にあきらめずに、回収していきましょう。

それではまた!