離婚調停

【チェックリスト】離婚調停を申し立てるまでに検討しておくべき8項目

協議離婚は難しい、どうやら調停を申し立てなければならないようだ、

ということになった場合、いきなり離婚調停を申し立てることはお勧めしません。

離婚調停はその後の人生を左右する重要な話し合いの場です。

準備もせずに臨むと、思うように調停が進まず、また、思っていた内容とは異なる調書が作成され、後に非常に苦労することにもなりかねません。

覚悟していた苦労は仕方がありませんが、自分の準備不足、知識不足による苦労は避けたいですよね。

今日は、離婚調停の申立書を作成するにあたって検討しておくべきチェックリストをご紹介します。

【チェックリスト】離婚調停を申し立てるまでに検討しておくべき8項目

1 どこの裁判所に申し立てるのか(管轄裁判所)

法律相談で聞かれることが多いのが「離婚調停を起こしたいのですが、どこの裁判所に書類を出せばいいのですか?」という質問です。

これは、

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所

が原則となります。

したがって、離婚しようと思っている相手が遠方に住んでいる(遠方の実家に帰ってきた等)というような場合、調停に出席するだけで大変な時間的経済的負担が必要になります。

調停は、裁判所が開いている平日の昼間に行われます。

裁判所の場所によっては、自分が現実に出席できるのかを、まずは検討しなければなりません。

相手方の住所地を管轄する裁判所以外の裁判所、例えば自分が住んでいる裁判所で調停を行ってもらいたいという場合、その旨の上申書(自庁処理)を付けて調停申立書を提出するという方法がありますが、そう簡単に認められるものではありません。

裁判所には多数の支部がありますので、どこの支部になるかも事前に調べておく必要があります。

2 必要書類の取り寄せ

弁護士に依頼をすれば、基本的な書類は全部弁護士が収集してくれます。

しかし、自分で離婚調停を申し立てる場合には、自分で収集しなければなりません。

離婚調停の申立書に必ず添付しなければならない書類はおおよそ決まっていますが、実は裁判所によって多少異なっています。

申立を予定している裁判所に問い合わせてみてもよいでしょう。

最初は最低限の資料だけを提出し、調停が進む中で追加提出していっても構いませんが、早期に解決したいなら、最初から提出しておかれることをお勧めします。

3 自分の意思・希望条件

離婚の法律相談の際、自分の意思が自分でも整理できていない方が意外と多くいらっしゃいます。

離婚のことを突き詰めて考えるのは、精神的にしんどいというのはよく分かります。

しかし、自分の人生です。

頑張って向き合いましょう。

弁護士に依頼すれば、肩の重荷は半分背負ってくれます。

ただ、弁護士の言う通りにすればよい、というものではありません。

「先生の言うとおりにする」という方もいらっしゃいますが、

決めるのはあなたです。

まずは、自分で、よく突き詰めて考えて下さい。

できれば、優先順位を付けられるとなお良いです。

親権の取得を希望するのかあきらめるのか

養育費の額をどうするのか

財産分与の対象として何を主張するのか、どのように分けたいのか

慰謝料請求をするのかしないのか

面会交流を話し合うのか、話し合うとしてどのような内容を求めるのか

年金分割を求めるのか

具体的な希望が決まったら、その希望をかなえるべく、戦略を練っていきます。

4 別居の時期・方法

本気で離婚を考えるのであれば、通常は別居を始めます。

しかし、経済的な事情で、すぐには別居できない場合もあります。

このような場合、

いつどのようなタイミングで、どのような条件がととのったら別居を決行するのか、必ず考えておくようにしましょう。

人によっては、数年がかりで準備している方もいらっしゃいます。

相手に別居することを告げずに、出て行ってもよいかという質問も時折受けます。

これについては問題ない、と答える弁護士が多いと思われます。

私は、DVやモラハラ事案でない場合には、出来るだけ予定日と、別居後どこに住むのか、連絡先はどうするか、ということを伝えてから別居するように勧めています。

これは、出ていかれた方の精神的ダメージが意外と大きいからです(特に子を連れて出ていかれた場合)。

仕事から帰ったら、家がもぬけの殻で真っ暗、家財道具もほとんど持ち出されていた、というケースを想像してみてください。

受けた側は、かなりのショックだと思います。

この別居時のショックが原因で揉めることも、実務的には結構多いのです。

5 離婚が成立するまでの生活設計

離婚が成立するまでは、夫婦は相互に婚姻費用分担義務(生活費の負担)があります。

支払う側も支払いを受ける側も、金額が幾らとなりそうなのか、それが現実に支払えるのか、支払ってもらえるのか、ということを事前に検討しておく必要があります。

婚姻費用分担義務の額が高額になりそうな場合には、少し条件を譲ってでも早期に離婚を実現していく方向で進めた方が、結果的に経済的負担が少なくなることもあります。

支払いを受ける側は、現実に払ってもらえそうにないなら、離婚調停と併せて婚姻費用分担調停を申し立てることを検討しなければなりませんし、切迫している場合には仮処分という方法もあります。

離婚が成立するまでの間は、様々な手当が受けられないケースも多いです。

別居して生活していくことが出来るのか、実家に帰った場合の生活等、子をどちらが監護するのが子にとって一番負担が少ないのか等、よく検討して置くことが重要です。

6 離婚が成立した後の生活設計

離婚後の生活設計を立てておくべきことはいうまでもありません。

離婚が成立すると、配偶者は他人となります。

自活していかなければなりません。

住居をどうするか、実家に帰るのか、子どもの学校はどうなるのか、手当はどの程度見込めそうか、仕事をどうするか(転職するか)、苗字をどうするか等、検討すべきことは実は非常に多いです。

これに関しては別の項目で改めて解説します。

7 弁護士の法律相談を受ける

離婚調停は、結果によっては、今後の人生を大きく左右します。

自分は何も分からないことは無い!と自信がある方は別ですが、

多少でも不安な点がある場合、弁護士相談を受けておかれることをお勧めします。

何を質問したらよいか分からないという場合でも、

家事事件の経験が豊富な弁護士であれば、上手に質問を誘導してくれます。

不安な点を箇条書きにしてメモをもって相談に行かれるとよいでしょう。

8 弁護士に依頼するかどうか

費用面の心配が無ければ、信頼できそうな弁護士に出会えたなら、その弁護士に依頼した方が、後に後悔する可能性は低くなるでしょう。

もっとも、諸事情で弁護士に依頼しない場合、自分で勉強して臨まれることも悪いことではありません。

その場合でも、途中で自分の手に負えないと思ったら、早めに弁護士相談に行くようにしてください。

自分と相性が合い、誠実で信頼できそうな弁護士に出会えたらあなたは本当にラッキーです。

まとめ

離婚調停を申し立てること自体は簡単に出来ます。

裁判所に備え付けの用紙を使用すれば、30分もあれば完成できるでしょう。

しかし、離婚調停は、事前の準備が大事です。

事前の検討の結果、申立をあえて遅らせた方がよい、ということも実はあります。

すべての事柄を理解し、納得のうえ、離婚調停を申し立てることが、もっとも後悔しない方法です。

それではまた。