離婚調停

【必須】離婚調停に出席する際に気を付けておくべき5つのこと

離婚調停って、多くの方にとっては初めての経験だし、これで人生が決まるかもしれないと思うと、とても緊張しますよね。

離婚調停に行くことが決まり、少しでも自分の辛い状況や苦労、将来の心配を分かってもらいたい、そのような気持ちでいらっしゃることと思います。

しかし、調停委員は中立の立場で双方の話を聞かなければなりませんので、必ずあなたの味方になってくれるとは限りません。

あなたが調停に臨む際、以下の基本に気を付けていれば、調停委員の信頼と共感を得ながら調停を進めることが出来ます。

今回は、離婚調停に臨む際に「絶対に気を付けるべき基本」をご紹介します。

離婚調停に臨む際に「絶対に気を付けておくべき5つの基本」

1 時間・締め切りを守る

当たり前じゃないか!

と思ったあなた。

離婚調停では、これが最も大切なので、あえて最初に持ってきました。

調停って、単に裁判所に行って話をするだけだと思っていませんか?

調停には、ものすごく沢山の人が関わっています。

離婚調停が申し立てられると、書記官が事前に記録を確認・整理します。

申立書に必要事項がきちんと記載されていること、必要な資料が添付されていることが確認されると、日程調整が行われます。

調停室を確保され、男女2名の調停委員が任命されます。

裁判官と調停委員は事前に記録を読み、期日の当日には、開始30分前には裁判所に着いてあなたを待っています。

事件(1件1件の調停のことを裁判所では調停事件(又は単に「事件」)といいます)によっては、調停が始まる前に、裁判官と評議をして準備をしている場合もあります。

遅刻や無断欠席をされると、調停委員も相手方当事者も、何をするでもなくあなたを待つということになります。

様々な関係者の時間を奪い、迷惑をかけることになります。

仕事の都合や健康上の理由でどうしても出席が出来ないということも勿論あるでしょう。

その場合は出来るだけ早く裁判所に連絡し(電話で構いません)、担当書記官と相談するようにしましょう。その際には自分の調停事件の番号と期日の予定日を言えば、担当書記官の名前が分からなくても裁判所は対応が可能です。

調停は、話し合いがまとまった場合、「調停調書」が作成され、調停の当事者は、その調書で約束した内容を守っていくことが前提の制度です。

時間にルーズな人が「約束する」と言ったとして、果たして信用してもらえるでしょうか。

大事な話し合いの機会である調停の時間に、自分勝手な理由で遅刻してきたり、何の連絡もなく無断欠席されることは、調停委員や裁判所に対する信頼をなくしてしまうことになります。

その後、せっかく調停に出席して真剣に自分の主張をしたとしても、信じてもらうことが難しくなります。

たかが時間、されど時間。

初歩的なことをきちんと守ることが実はとても重要なことなのです。

少し余裕をもって、到着するようにスケジュールを決めましょう。

2 裁判所から提出を求められた書面は期限内にきちんと出すこと

調停に提出する資料は、自分で選択してよいのが原則です。

しかし、調停で話し合うには、前提としてどうしても先に必要な資料や、後で必ず必要となる資料というものが存在します。

典型例は、収入資料(源泉徴収票、確定申告書、給与明細書等)です。

収入資料は、それぞれがどんな生活をされているのか、婚姻費用や養育費は最高裁基準によると幾らくらいの金額になりそうか、離婚後の生活の見通し等を調停委員が検討するうえで最初から必要な資料です。

したがって、通常は調停の早い段階で提出が求められます。

収入資料以外にも、その調停事件の争点(論点)の検討に必要な資料は、必ず裁判所から提出が促されます。

調停委員から提出を求められた資料というのは調停委員会が関心をもっている資料ということになります。

これをあえて提出しない理由はありませんよね。

提出されないと調停が進まず、期日が空転して何も進まないということにもなりかねません。

調停委員控室では、「〇〇さんは、今回も書面の提出がギリギリで期限を守りませんね」とか、「今日は資料が提出されなかったので、あまり意味のない期日になってしまいましたね」といった会話が度々なされています。

調停委員から提出を促された資料を期限通りにきちんと提出すること、ただそれだけで調停委員の信頼につながります。

その日の期日が終わる際、調停委員から、次回までの検討課題(宿題)と提出資料の確認が行われるはずです。きちんとメモして、調停が終わったらすぐに次回期日の準備に取り掛かるようにしましょう。

3 長すぎる書面を書かない

調停委員は、裁判官と3人で「調停委員会」を構成し、調停を担当しています。

調停委員会の構成メンバーは、事前に提出された記録を読んでから調停に臨みます。

ご存知のとおり、裁判官も調停委員も極めて多忙な人たちです。

その事件のために何時間もかけて記録を読みこむということは物理的に不可能ですから、ポイントは何かを探りながら読んでいきます。

簡にして要を得た書面が、喜ばれます。

ぜひ、自分が読む側の立場になった場合を想像して書面を作るようにしてください。

手書きの細かい字で、何が言いたいのか何回読んでもよく分からない、同じことが何度も繰り返し書かれている独りよがりな書面など、読みたくはありませんよね。

読み手を意識し、主張と理由を端的にまとめた書面を提出することが、裁判官と調停委員の理解を得られやすく、結果的に良い解決に結びつきやすくなります。

これ、弁護士でも全然出来ていない人が結構います。

4 主張をコロコロ変えない

調停は、段階を踏んで進みます。

今回述べた主張を前提に、次回以降の話し合いが進められます。

主張や希望が変わると、前提が変わってしまいます。

調停委員会も、相手方も、前回のあなたの主張を前提に今回の期日の準備をしています。

主張が変わると、また一からやり直しということにもなりかねません。

変更が認められないわけではもちろんありませんし、気持ちが変わることがありうるということも理解できますが、そうそう何回も変わることは無いはずです。

調停という場で自分が話すことには責任を持たなければなりません。

主張変更の理由は必ず確認されます。

どのような理由から、前回言ったことと今回違うことを言うのかについて、合理的に説明ができない場合、相手も調停委員も、あなたから気持ちが離れていきます。

調停での話し合いは、双方の信義(信頼関係)に基づいて行われることが基本です。調停で述べることは、責任を伴います。

気持ちが揺らがないところまで、きちんと自分の本心と向き合ってから調停に臨むようにすると良いでしょう。

5 喧嘩ではなく、話し合いであることを理解する

離婚調停を喧嘩と勘違いしている方がいます。

調停は話し合いによって問題を解決しようとする場です。

相手を言い負かしたり、屈服させたり、制裁を加えたり、不満のはけ口にする場ではありません。

また、過去の事実を調停委員が認定する場でもありません。

相手を非難し、制裁を加えたい、事実認定をしてもらいたいといった動機で調停を利用しようとしても、調停委員はそれに与してくれません。

解決にどう結びつくのか、それとも主張の隔たりが大きく、話し合いで解決することは困難なのか、という視点で、調停委員は事件と当事者の主張に接しています。

そのことを忘れずに調停に臨むと、調停委員は味方になってくれます。

相手にも感情があることを頭の片隅に置いておくこと。

これが非常に大事です。

弁護士に多いのが、離婚調停で、裁判の準備書面のような書面を提出し、相手の感情を逆なでしているパターンです。

ほぼ、まとまりません(笑)

繰り返しになりますが、離婚調停は、調停委員を通じて話し合い、譲れるところは譲り、将来に向けて問題を解決しようとする場です。

「話し合い」の場であること、相手にも感情があること、屈服させる場ではないこと、自分が言いたいことだけを言っていては問題解決は難しいことを頭に入れておきましょう。

コツは、問題に入り込んで我を忘れるのではなく、一歩引いて俯瞰的に自分を眺めてみる、自分を他人に目で眺めてみることです。

まとめ

結局、社会人として、当たり前のことを、当たり前に行うことが重要だということがお分かりいただけたでしょうか。

これらが実践出来ている方は、調停委員の信頼を受け、何とか当事者双方のために「よりよい解決」を目指そうというモチベーションをアップさせます。

結果的に、早期解決や、相手を説得してくれるという「得」をするチャンスが大きくなります。

これは、単に相手の言うことを譲歩して聞きましょうと言っているわけではない点にご留意ください。

今回紹介した事柄は基本中の基本です。ぜひ実践し、調停委員を味方につけてください。

それではまた。