離婚準備・別居

【離婚・別居準備④】財産分与を主張するための資料を収集しましょう

夫と別居しようと思います。法律相談にいくと、弁護士さんから財産分与を請求するための資料の収集をしてから別居することを勧められました。どのような資料を集めればよいか、詳しく教えてください。

今日はこの質問にお答えしたいと思います。

財産分与とは(簡単におさらい)

財産分与とは、離婚の際、婚姻後に夫婦が協力して形成した財産を分け合うことをいいます。

民法768条1項に、「離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」と規定されており、これが根拠規定となります。

財産分与の対象となる財産は、以下のようなものが挙げられます。
借金も分与の対象となります。

  • 現金
  • 預貯金
  • 財形貯蓄
  • 不動産
  • 株式等の有価証券
  • 生命保険(積み立て型)
  • 学資保険
  • 自動車
  • 退職金
  • 小規模企業共済
  • 家財道具
  • 自営業者の場合の事業用財産
  • 借金

財産分与の割合は、2分の1が原則です(2分の1ルール)。
一方が専業主婦であったり、夫婦間において収入差がある場合も、貢献度は同等と考えます。

財産分与を主張するための資料を収集しましょう

上に書いたとおり、財産分与は、原則2分の1ずつで夫婦財産を清算します。

相手に財産を隠されてしまうと、結果的に自分の取り分が減って不利になりますよね?

ですから、別居時点での夫婦それぞれの財産が、全て、正確に「まな板の上」にきちんと乗るようにしなければなりません。

別居後、離婚に向けてお互いに自分の財産を開示し合うのですが、その際には、自分の財産をすべて出すのが建前です。

大半のケースは、自分の財産をすべて開示していると思います。

しかし、弁護士に持ち込まれるような夫婦が揉めている事案では、「もっとあるはずだ」「相手は全部を開示していない」といった不満がよく出ます。

あなたは自分の夫(妻)が、別居後の離婚協議や調停で、誠実にすべての自分の財産を開示してくれると信じ切れますか?

そうとも言い切れない場合には、以下を参考に、財産分与請求のための資料収集をしてから別居することをお勧めします。

何の手がかりも無いとなると、弁護士でも容易には探索できません。

財産分与を主張する際にあると役に立つ資料

財産分与を主張する際にあると役に立つ資料チェックリスト

□源泉徴収票

□給与明細

□確定申告書類

□預金通帳

□保険証券

□証券会社の残高明細

□車検証

□自宅の売買契約書

□住宅ローンの契約書、

住宅ローンの残高(償還予定表)

□賃貸借契約書

以上のものは、出来る限りコピーを取ったり、スマホで撮影しておくと、あとで役に立ちます。

これらの資料があると、相手から資料が提出する前に、先に自分の方で見通しを立てることが出来ますし、もちろん、万が一、相手が隠して資料を出してこなかった場合、提出を促すことが出来ます。

自宅の査定

自宅が持ち家の場合、自宅の価値がどの程度なのかを確認しておくことは重要です。

財産分与に伴って、自宅をどう分けるのかを判断するためには、現在の自宅の価値がいったい幾らであるのか分からないと、検討のしようが無いからです。

自宅の価値は、不動産業者に簡易査定してもらうことも出来ますが、正確な査定をしてもらうには、家の内覧が必要です。

ペット、タバコ、穴・くぼみ・染みなどは、査定価格に影響します。

持ち家の場合は、別居を開始する前に、自宅の査定を取っておかれることをお勧めします

家の内覧に来てもらうことが難しいという場合には、ネットによる無料一括査定を取ってみるという方法もあります。

不動産業者は、近隣の過去の売却事例等をもとに、客観的に査定価格を算出することが出来ます。

内覧を経なくても、時価から大きく離れた数字になることはありませんので、気軽に大体の時価を知るという意味でネット査定を利用してみても良いかもしれません。

まとめ

離婚後、当面の生活を回していくために、財産分与をきちんと確保することが重要です。

預貯金の清算は幾らになりそうか、保険はどんな保険があってどちら名義になっているのか、家は売却して分けるのか、住宅ローンは幾ら残っているのか、賃貸の場合は敷金は幾らか、何か月前に家主さんに解約の申し入れをしなければならないか、などが、相手から資料が出されない限り分からない、というのは不安ですよね?

したがって、上のチェックリストに紹介した資料は、出来る限りコピーを取ったり、スマホで撮影しておくことをお勧めします。

別居前に出来る限り準備してから、出るようにしましょう。

この記事が少しでも参考になればうれしいです。

それでは、また!

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