婚姻費用

【手続】婚姻費用分担請求調停の流れと必要書類まとめ

夫が生活費を支払ってくれないので、調停を起こしたいと思っています。でもどうしたらいいか分かりません。どこの裁判所に何を持っていけばよろしいのでしょうか。必要書類や調停の流れなども教えていただけるとうれしいです。

今回はこの点を取り上げてみたいと思います。

【手続】婚姻費用分担請求調停の流れと必要書類まとめ

夫婦の話し合いで婚姻費用を決めることが出来ない場合、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てます。

婚姻費用分担の「審判」申立てを行うことも可能なのですが、審判の申立てをしても、家庭裁判所は、職権で調停に付して話し合いを促しますので、審判→調停に付するという手続を挟む分(意見を聞いたりする)、時間をロスします。

ですので、最初から調停申立を行うことをお勧めします。

1 【管轄裁判所】どこの裁判所に行けばいいの?

原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。

神戸市内で暮らしていたけれど、別居して実家のある京都に戻った、といったケースでは神戸家庭裁判所に調停申立をすることになります。

この管轄の考え方は、離婚調停も同じです。

ですので、別居して遠方の地に居住する場合、調停期日に出席する負担が大きくなるということを頭に入れておく必要があります。

なお、夫婦で合意した家庭裁判所を利用しても構いません。

別居後、夫が京都、妻が神戸に居住しているといったケースで、夫婦の合意により、中間地の大阪家庭裁判所を調停をする裁判所として選択することも可能です。
この場合は、申立書に夫婦連名の管轄合意書を添付します。

参考:裁判所の管轄区域

経済面や健康上の理由等でどうしても、相手方の住所地を管轄する裁判所に赴いて調停を行うことが難しい場合、お近くの家庭裁判所に「自庁処理」の上申を行って、そのお近くの家庭裁判所で調停をしてほしいと願い出る制度があります。

裁判所は、相手方の意見も聞いたうえ、自庁処理をするかどうかを判断します。自庁処理が認められるケースは決して多くは無いですが、どうしても遠方の裁判所に赴くことが難しい場合には、あきらめずにチャレンジしてみてもよいのではないかと考えます。

2 【必要書類】何を提出すればいいの?

婚姻費用分担請求調停の申立てに必要な書類は以下のとおりです。

1 申立書及びそのコピー1通

2 夫婦の戸籍謄本

3 申立人の収入関係資料(源泉徴収票、確定申告書、給与明細書等)

別途、裁判所から追加書類の提出が求められる場合もありますが、最低限、上の3点は準備しましょう。

3 【費用】お金はどのくらいかかるの?

1 収入印紙1200円分

2 連絡用郵便切手 数千円分(各裁判所によって異なりますので、裁判所から指示された切手を準備しましょう)

4 【調停の流れ】調停はどのように進むの?

(1)第1回調停期日まで

調停の申立書が裁判所に受け付けられると、双方の当事者に第1回調停期日の通知書が送付されます。

通常は、申立てが受付されてから1か月程度で送付されてくるケースが多いように思われます。

第1回期日の日程は、双方の都合を聞かずに指定されることも多いですので、お仕事や通院などの事情で、どうしても出席が難しい曜日や日程が分かっている場合には、申立書にその旨を記載して置けば、通常は配慮された期日が指定されます。

申し立てをしてから、およそ1か月半~2か月程度先に第1回期日が指定されることが一般的です。

(2)第1回調停期日当日

指定された期日に出席します。

通常、双方の呼び出し時刻は、30分程度ずらされています(例えば、妻は午前10時、夫は午前10時30分など)。

待合室も別に設けられており、裁判所内で顔を合わすことが無いように配慮されています。

待合室で待機していると、調停委員が呼び出しに来ますので、調停室に入り、調停が開始されます。

本人確認(免許証等)、調停委員の自己紹介から始まり、調停の基本的な説明があります。

その後本題に入り、申立人は調停を申し立てた経緯について具体的に話を聞かれます。

30分程度話をすると交代となり、次は相手方が調停室に呼び出されます。

相手方も同様に調停委員から話を聞かれ、申立人の言い分や希望も調停委員を通じて伝えられます。

交互に30分程度の聴き取りを繰り返すかたちで進みます。

もっとも、30分はあくまでも目安ですので、事情によっては一方の聞き取り時間が多少長くなる場合もあります。
相手の聞き取り時間が長いと不安になるかもしれませんが、調停委員は中立の立場を堅持していますので、相手の話が長いんだ、くらいの楽な気持ちで待っていると良いでしょう

気になる場合は、調停委員になぜ相手の方の時間が長いのかを尋ねてみましょう。
きっと事情を教えてくれると思われます(調停委員も時間配分には気を付けていますが、どうしても話を遮るのが難しい当事者もいたりします)。

婚姻費用の額について合意ができれば、1回目の期日で調停が成立となりますが、通常は1回で成立することは多くなく、2回目の期日の調整を行ってその日は終了となります。

2回目の期日の指定は、夫婦双方、調停委員2名の予定と、裁判所の調停室の空き具合で調整されます。

決まった期日は、原則として変更できませんので、必ず空けておくようにしましょう。

第2回調停期日以降

第2回調停期日以降も、基本的な調停期日の流れは同じです。

およそ30分交代で、交互に調停室に入り、調停委員を通じて婚姻費用の解決策を話し合います。

5 【調停成立】話し合いがまとまったらどうなるの?

話し合いがまとまった場合には、調停成立となり、裁判所書記官によって調停調書が作成されます。

後日、双方に郵送されます。

成立の際に印鑑は必要ありません。

婚姻費用として一定金額を支払う内容の調停調書が作成されると、約束に違反して支払いをしない場合、強制執行が可能となります。

6 【調停不成立】話し合いがまとまらなかった場合はどうなるの?

話し合いがまとまらなかった場合は、調停は打ち切りとなり、自動的に審判手続に移行します。

審判手続は、調停と異なり、話し合いの場ではなく、双方の主張と提出した資料によって、裁判官が判断する手続きです。

7 調停が打ち切られるタイミング

調停は、成立の見込みが無いと判断された場合に調停委員2名と裁判官で構成する「調停委員会」によって打ち切りが決定されます。

調停委員2名のみの判断ではなく、裁判官と協議の末に、調停を継続するか、成立の見込みが無いとして打ち切りにするかが判断されますので、この点ご注意ください。

まとめ

裁判所に行くこと自体、初めての方が多いと思います。

緊張するかもしれませんが、調停委員は、知識が十分でないことを当たり前のことと思っていますので、心配は不要です。

調停委員は中立の立場でいますので、「このような主張をしたらよい」といった助言はしてくれませんし、基本的な事柄以外の詳しい説明まではしてくれません。

ですから、最低限の勉強をしてから出席するようにしましょう。

(当サイトレベルの知識があれば十分です)

どうしても不安な場合は、弁護士に依頼をすれば、弁護士が同行して調停室にも一緒に入って代弁してもらえます。

婚姻費用をしっかり確保できるよう、がんばってください。

この記事が少しでも参考になればうれしいです!

それでは、また。