離婚調停

【何する人?】離婚の調停委員について知っておきたいことまとめ

「調停委員ってどんな人?」

「普段は何をしている人?」

調停委員って謎の存在。

「出来る事なら自分の味方になってもらいたい」

多くの方がそう思っています。

もし味方に付けたいなら、まずは「相手を知ること」。

調停委員がいったいどんな人たちなのかを知っておくことは重要なことです。

そこで今日は、家庭裁判所の調停委員を取り上げてみたいと思います。

調停委員って何する人?離婚調停で調停委員を味方に付けたい場合に知っておきたいことまとめ

調停委員って何をする人?

調停委員は、裁判所の調停室であなたを待っている男女二人の非常勤の裁判所職員です。

離婚調停は、裁判官と調停委員2名で構成される調停委員会により行われるのですが、裁判官は、同時に多数の事件を担当しているため、全ての調停事件に、最初から最後まで立ち会うということができません。

したがって、実際に調停室で調停に立ち会うのは調停委員2名だけということがほとんどです。

裁判官は実際に調停に立会うことは多くありませんが、全ての記録に目を通し、事前に調停委員と意見交換を行います「評議」といいます)。

この意見交換の中で、争点は何か、基本的な方針、どのような事情の聴き取りを行うか、次回までにどのような資料の提出を促すか、といったことを確認します。

調停委員は、この評議を踏まえて調停を進めます。

調停委員は、必ず全ての期日に最初から最後まで立ち会い、途中で変更になることは原則としてありません。

調停は、裁判官が立会いをしていなくても、事前に評議を行った上で進行されている点、忘れがちなので頭に入れておくようにしましょう。

場合によっては、調停の途中で裁判官に確認をしたり(中間評議)、その日の調停が終了した後、裁判官と打ち合わせをする(事後評議)こともあります。

調停委員ってどんな人から選ばれるの?

調停委員は、

1 弁護士の資格を有する者

2 紛争の解決に有益な専門的知識・経験をゆする者

3 社会生活の上で豊富な知識・経験を有する者で、人格・識見の高い者

の中から選任されています。

各裁判所が任命するのではなく、最高裁判所が任命します。

1は、弁護士調停委員

2は、司法書士、税理士、公認会計士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などの資格を持っている専門職調停委員

3は、主に民間の方

といえます。

離婚調停の場合は、男女とも、主に3の調停委員で構成されていることが多いように思われます。

3の調停委員は、いったいどんな人なのかということに興味を抱かれるでしょうが、元会社員、元学校教師、元裁判所職員、大学教授など、本当に様々です。

原則として40歳以上70歳未満の人から任命されます。

調停の途中で、調停委員が変更になるケースで多いのは、調停委員が定年に達した場合です。

弁護士委員は、通常は弁護士会から推薦された人が選任されます。
当サイト管理人も所属弁護士会から推薦を受け、最高裁判所に任命されました。

一般調停委員に関しては、裁判所が「一本釣り」するのではなく、自薦又は他薦で選考があります。
「他薦」については、現在の調停委員が推薦したり、退職する方が後任を推薦することもあるようです。

任期は2年です。

更新されることもありますので、何年も務めている方もいらっしゃいます。

調停委員は、調停がまとまったら成功報酬をもらっているの?

弁護士と異なり、調停委員には、調停が成立したからといって成功報酬は一切ありません

結果に関わらず、時間に応じた手当が支払われています。

ちなみに、手当は、弁護士の一般的なタイムチャージの感覚からすると、全然高くありません(笑)。

調停委員の報酬は、原則として実際の調停に立ち会っていた時間に対してのみ支払われますので、かなりボランティア精神によって支えられた制度だと感じています。

調停委員は、調停の時間だけ調停に関わっている訳ではなく、事前に記録を読んだり、相調停委員と打ち合わせをしたり、調べ物をしたり、各調停期日が終了した後、その日の経過メモを作成なければなりません。
調停期日が開かれる日には、少なくとも30分前には裁判所に到着して準備を行っています。

私の場合、調停委員として家庭裁判所に出かける日の収支は、自分の仕事は出来なくなり、完全に赤字です。

調停委員の義務

離婚調停は、仕事、経済状況、学業、宗教、性生活など、他人には知られたくない家庭内の様々な事情を取り扱います。

調停は、非公開とされていますし、記録の閲覧等も制限されています。

プライバシーへの配慮は徹底されています。

調停委員も秘密保持の義務(守秘義務)を負っており、調停に関わることで知り得た事実を他に漏らしたときには、刑事罰の制裁があります。

調停中、調停委員が手控えを取っているところを目にすることも多いかと思いますが、手控えも裁判所外に持ち出すことは原則として禁じられています。

また、中立・公平の要請があることは言うまでもありません。

調停委員は、その立場上、相手が述べたことを伝える役割もありますので、相手の主張を調停委員が代弁していると受け止められ、調停委員が相手の味方になっている、と思われがちですが、調停委員は、特に中立性・公平性に配慮して調停を行っています。

もし、中立性・公平性に疑問を感じることがあれば、当の調停委員本人ではなく、担当書記官に相談してみると良いでしょう。

調停委員の当たり外れ

「調停委員」というキーワードを調べると、

「調停委員 当たり外れ」
「調停委員 相手の味方」
「調停委員 最悪」
「調停委員 苦情」
「調停委員 ひいき」
「調停委員 理不尽」

といった複合キーワードが現れます。

皆さまの、調停委員に対する不満が垣間見られます(苦笑)。

いたたまれない気持ちになります。。

しかし、私も、代理人として調停に出席する際、「ちょっとこれは、、」と感じる方に当たることがあります。

調停委員も人間ですから、相性が悪い場合、印象が悪くなることもあるでしょう。

しかし、中立性に問題があるとか、偏見に基づいて話を進めようとするとか、極端に強引といった場合は、遠慮なく苦情を出しましょう

書記官に書面で苦情を出せば、通常その書面は、裁判官に報告が行き、その内容は調停委員にフィードバックされます

そのような苦情が頻繁に出される調停委員は、やがて調停の担当から外されます。

調停は録音が禁止されていますので、正確な再現は難しいかもしれませんが、調停委員から言われたことや態度を正確に書き留めて提出してください。

苦情を出すと、自分の調停が不利益に扱われるのではないか、と心配なさるかもしれませんが、そのようなことはありません。

調停委員の変更の希望は、ほぼ認められません。

裁判所の方から調停委員に事実確認と注意がされますので、次回以降、対応が変わってくることも期待できます。

まとめ

調停委員は、決して特別な人間ではなく、善意でつとめている普通の人です。

少しでもお役に立ちたいと、熱心に勉強されている方も多数いらっしゃいます。

調停が開催されない日まで、裁判所に赴いて、記録を読んだり、調べ物をされている方も多いです。

事案によっては、期日間の当事者の状況をずっと気にかけている人もいます。

また、一般調停委員の多くは、元々法律の専門家ではありませんので、定期的な勉強会やセミナーを開催し、自己研鑽に努めています。

調停委員は、ときどき、当事者から罵声を浴びせられたりして、メンタルがしんどくなる方もいます。

調停委員も色々と悩みながら事件を担当していますので、ご理解頂ければと存じます。

調停委員は、通常自分より年上の方が担当になることが多いと思います。

調停委員の知識・経験を借りながら、一緒に問題を解決していこう、という前向きな視点を持つと良いかもしれません。

そのような気持ちは調停委員に伝わり、きっと良い解決に結びつくことでしょう。

それでは、また!