離婚準備・別居

【離婚・別居準備⑥】児童手当の受給者変更の準備をしましょう

夫と別居しようと思います。児童手当は、夫の口座に振り込まれているのですが、別居後、夫が児童手当をすんなり渡してくれる可能性は低いので、自分が受け取れるようにしたいです。離婚前でも、夫の協力なしに児童手当の受給者を変更することは出来るのでしょうか

今回はこの質問を取り上げたいと思います。

児童手当とは

児童手当とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に対し、市区町村から支給される手当です。

1 支給額

以下の表のとおりです。

年齢 児童手当の額
3歳未満 一律15,000円
3歳以上小学校修了前 10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

※児童を養育している方の所得が所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額一律5,000円が支給されます。
※「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます。

2 支給時期

原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が支給されます。
例)6月の支給日には、2~5月分の手当が支給されます。

別居後、児童手当の受取人を夫から妻に変更することは出来ますか

結論

変更は可能です。

以下の記事をよく読んで対応してください。

1 内閣府が明示しているルール

内閣府のウェブサイトより引用(太字及び下線は当サイト管理者によります)

児童手当制度では、以下のルールを適用します!

1. 原則として、児童が日本国内に住んでいる場合に支給します(留学のために海外に住んでいて一定の要件を満たす場合は支給対象になります)。

2. 父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給します

3. 父母が海外に住んでいる場合、その父母が、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給します

4. 児童を養育している未成年後見人がいる場合は、その未成年後見人に支給します

5. 児童が施設に入所している場合や里親などに委託されている場合は、原則として、その施設の設置者や里親などに支給します

児童手当は、原則として、主たる生計者(つまり所得の高い方)が受給者となります。

そのため、多くの家庭では、夫が児童手当の受給者になっていて、振込先も夫名義の口座になっているのではないかと思われます(児童手当の振込先は受給者名義の口座でなければならないことになっています)。

2 別居するに際して、児童手当の受取人を夫から妻に変更できる?

上に引用した内閣府ルール第2項からお分かりのとおり、可能です。

父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給します

つまり、父母が別居している場合、所得の差に関わりなく、子どもと同居している方が優先的に受給者となります。

元々夫が受給者となっている場合は、もちろん手続は必要ありません。

現状は夫が受給者で、別居に際して妻が子供を引き取る場合、妻の収入の方が少なくても、必要な手続を行えば、児童手当の受給者と振込先を変更することが出来ます。

具体的な手続の方法は?

1 通常の手続(夫の協力を得て行う場合)

①夫が「児童手当・特例給付受給事由消滅届」を役所に提出する。

その後、

②妻が「児童手当・特例給付認定請求書」を役所に提出する。

①の「児童手当・特例給付受給事由消滅届」は、現在児童手当を受給している夫が、支給を止めてもらうための届出です。

②の「児童手当・特例給付認定請求書」は、①により夫が支給を止める手続きを取った後、妻が新たに児童手当の申請を行う手続です。

要は、現行の支給を止めて、新たに申請するということです。

①、②の書類の提出先は、夫・妻がそれぞれ住んでいる市区町村の役所です。

2 夫の許可なく変更したい場合

妻が「児童手当等の受給資格に係る申立書」または「同居優先受給に関する申立書」を役所に提出することで変更を申請します。

この方法で児童手当の受給者を変更するためには、

1 妻が住民票を移動させており、夫と別世帯になっていること

2 妻と子供が同居していること

が必要です。

ですから、手続は、別居して、住民票を移してから行わなければなりません。別居後は、生活環境が変わり、バタバタしていることも多いので、手続を忘れがちですので、別居後のチェックリストに入れ、別居前から準備しておくようにしましょう。

また、この手続を行う際には、離婚協議中であることを明らかに出来る書類の提出が求められます。

例えば、以下のような書類です。

  • 協議離婚申し入れに係る内容証明郵便の謄本
  • 調停期日呼び出し状の写し(調停を申し立てると裁判所から送付されてきます)
  • 家庭裁判所における事件係属証明書(家裁に申請すると発行が受けられます)
  • 調停不成立証明書
  • その他、離婚訴訟の訴状副本、弁護士等により作成された書類(離婚協議中であるとわかる書類)等

別居後に住む予定の市区町村の役場に、事前に相談に言っておくと安心です。

受給者変更後の児童手当の額

上にも書いたとおり、受給者の所得が所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額一律5,000円になります。

しかし、受給者を妻に変更した後は、妻の収入を元に児童手当の額が算定されます。

したがって、別居前は、夫の収入が高く特例給付であった場合でも、別居後は妻の収入が所得制限額以下であれば、通常の児童手当の額が受けられるようになります

まとめ(別居したら、すぐに受給者変更の手続きをしましょう)

上にも書いたとおり、児童手当の支給のタイミングは、年に3回、毎年6月、10月、2月で、それぞれ前月分までの4か月分がまとめて指定の銀行口座に振り込まれます。

手続が遅れると、直接受け取れない手当の金額がそれだけ膨らんでしまいます

別居したらすぐに受給者変更の手続きを取るようにしましょう。

ちなみに、弁護士に依頼していれば、弁護士は夫に対し、離婚に向けて代理人に就任したことを内容証明郵便で通知することが一般的です。

その内容証明郵便の謄本を弁護士から受け取り、変更の手続に使用することが出来ますので依頼した弁護士に相談してみましょう。

具体的な手続きは、市区町村によって微妙に異なりますので、WEBサイトで調べても分からないことは、直接市区町村の役場窓口に相談した方が早いうえ、確実です

この記事が少しでも参考になればうれしいです。

それでは、また!

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