面会交流

【面会交流を拒否できる場合②】連れ去りのおそれがある場合

先日協議離婚が成立しました。息子は現在幼稚園の年長組です。離婚の際、面会交流のルールを決めたのですが、元夫はルールを守らず、先日は息子を連れて帰ってしまいました。幾ら連絡をとってもなかなか息子を返そうとせず、幼稚園もお休みをしなければならなくなりました。
このような場合も元夫に面会交流を認めなければならないのでしょうか。

今回はこの質問を取り上げたいと思います。

前提知識(判断基準について)

面会交流の判断基準についてはこの記事にまとめています。

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連れ去りの具体的なおそれがある場合

現在の家庭裁判所実務では、子どもの連れ去りのおそれがある場合は、面会交流を禁止・制限しなければならないという運用がなされています。

監護親としては、面会交流を認めて子どもを送り出した場合に、子どもが連れ去られて帰ってこないのではないかという不安を抱くのは当然です。

面会交流は、大切な子どもを預けるのですから、監護親と非監護親の間で、最低限の信頼関係がなければ成り立たないものです。

離婚紛争が激化しているケース、特に親権争いをしているケースでは、この最低限の信頼関係が無いまま面会交流実施を検討しなければならないことも多く、困難を極めます。

面会交流に行き、突然非監護親に連れ去られて家に帰れなくなった子どもは、突然監護親にも祖父母にも友だちにも先生にも会えなくなってしまい、大変な不安を覚えます。

弁護士
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場合によっては、回復できないような精神的ダメージを与えてしまうことにもなりかねません。
弁護士
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自己の権利ばかりを主張し、ルールも守らずに連れ去りを行うような非監護親は、自分の感情にまかせた行動をとっているだけで、子どもの利益を考えているとはいえません。

本来子の利益のために行うべき面会交流が禁止・制限されるのも仕方が無いといえます。

弁護士
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監護親としては、連れ去りのおそれがある場合に、面会交流を拒否することは当然といえるでしょう。

面会交流を求める側である非監護親は、子の利益を考え、きちんとルールを守ることが何より大切です。

連れ去りの抽象的な不安があるに過ぎない場合

連れ去りの具体的なおそれがあるとまではいえず、これまでの非監護親の言動から漠然と連れ去られてしまうのではないか、という不安から、監護親が面会交流に非協力的になることもよくあります。

このような場合には、

1 監護親(又は指定する者)の立会い(同席)のもとに面会交流を行う

2 面会交流実施支援団体を利用する

3 面会交流の場所と時間を限定する

といった方法で、まずは短時間でも面会交流を実施することが出来ないかを検討することがあります。

これらの方法で信頼関係を少しずつ構築し、双方及び子どもの安心感を醸成してから一般的な方法による面会交流に繋げていく、といったこともありうるでしょう。

弁護士
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抽象的に連れ去りの危険があるというだけでは、面会交流を完全に拒否することは難しいと思われます。

調停で決めたルールが守られない場合

非監護親が調停で決めたルールを守らない場合、調停で決めたルールを変更する必要があります。

一度調停で決めた以上、ルールの変更は出来ないと誤解している方も多いのですが、非監護親がルールを守らないことによって子の利益が侵害されているような場合には、調停で決めたルールを変更して面会交流を禁止・制限することも出来ます。

具体的な方法としては、再度面会交流調停を申し立て、前回調停後の経過を説明し、面会交流の制限を主張します。

相手が同意しない場合(大半がそうでしょう)、調停は不成立となり、審判手続によって判断されることになります。

弁護士
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子の利益のために、非監護親としては、我慢強く対応していくしかありません。
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この記事が少しでも参考になればうれしいです!

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